体幹トレーニング初心者ガイド|プランクだけではない基本種目7選
「体幹を鍛えたいけれど、何から始めればいいかわからない」「プランクを続けても効いている感覚がない」「腰に負担を感じてしまう」
このような悩みを抱えている方は少なくありません。
体幹トレーニングといえばプランクが有名ですが、プランクだけですべての体幹機能を鍛えられるわけではありません。
体幹には、姿勢を支えるだけでなく、手足を動かしても胴体を安定させる、横方向からの力に耐える、体をひねる動きをコントロールするといった役割があります。
今回は、指導歴10年・累計1万セッション以上を担当してきたトレーナーが、体幹トレーニングの基本と、初心者におすすめの7種目をわかりやすく解説します。
体幹とはどこの部分?
体幹とは、一般的に頭部と手足を除いた胴体部分を指します。
体幹を支える主な筋肉には、次のようなものがあります。
- 腹直筋
- 腹横筋
- 内腹斜筋・外腹斜筋
- 多裂筋
- 脊柱起立筋
- 横隔膜
- 骨盤底筋群
- お尻や股関節周辺の筋肉
「体幹=腹筋」と考えられがちですが、お腹の前側だけを鍛えればよいわけではありません。
背中、骨盤、股関節、肋骨、呼吸に関わる筋肉が連携することで、胴体を安定させながらスムーズに動けるようになります。
関連記事:腹斜筋は鍛えない方がいい?腹斜筋を鍛える効果とデメリット
体幹トレーニングで期待できる効果
姿勢を支えやすくなる
体幹筋には、座る・立つ・歩くといった日常動作で姿勢を支える役割があります。
ただし、体幹を鍛えれば自動的に姿勢が良くなるわけではありません。胸椎や股関節の動き、普段の活動量、仕事環境なども関係します。
体幹を固め続けるのではなく、必要な場面で力を入れ、必要のない場面では力を抜けることが大切です。
関連記事:姿勢を良くする方法5選|「胸を張る」が逆効果な理由
手足を動かすときの土台になる
歩く、走る、物を持つ、ボールを投げるといった動作では、手足だけでなく体幹も働いています。
体幹が安定することで、手足を動かしたときに腰や骨盤が必要以上に動くのを抑えやすくなります。
スポーツ動作の安定につながる
2023年のシステマティックレビュー・メタ分析では、体幹トレーニングによって、バランス能力、ジャンプ、投球・打撃などのパフォーマンス指標が改善する可能性が報告されています。
ただし、スポーツのパフォーマンスを高めるには、体幹トレーニングだけでなく、全身の筋力や競技練習も必要です。
腰痛がある人の運動として活用されることがある
体幹安定化エクササイズは、非特異的腰痛に対する運動療法の一つとして活用されています。
2022年のシステマティックレビューでは、非特異的腰痛の痛みや身体機能の改善において、体幹安定化エクササイズが選択肢になり得ると報告されています。
一方で、腰痛の原因や状態は人によって異なります。体幹トレーニングをすれば、すべての腰痛が改善するわけではありません。
体幹トレーニングはプランクだけでは不十分?
プランクは、体を一直線に保ちながら胴体の反りや姿勢の崩れを抑える優れた種目です。
しかし、日常生活やスポーツでは、同じ姿勢で止まり続けるだけではありません。
- 手足を動かしながら体幹を支える
- 横方向からの力に耐える
- 体がひねられないように安定させる
- 股関節と体幹を連動させる
- 呼吸を続けながら姿勢を保つ
このような能力も必要です。
プランクが悪いのではなく、プランクだけに偏らず、姿勢や動きの異なる種目を組み合わせることが重要です。
体幹トレーニング初心者におすすめの基本種目7選
1.90/90ブリージング
最初に、呼吸を続けながら肋骨と骨盤の位置を整える練習を行います。
仰向けになり、股関節と膝を約90度に曲げて、足裏を壁や椅子へ置きます。鼻から息を吸い、口から細く長く吐きましょう。
息を吐くときに、肋骨がゆっくり下がり、お腹周りに軽く力が入る感覚を確認します。
- 4〜5呼吸
- 2セット
- 肩や首に力を入れない
- 腰を強く床へ押しつけない
関連記事:肋骨の出っ張りの原因とエクササイズ
2.デッドバグ
デッドバグは、仰向けで手足を動かしながら体幹を安定させる種目です。
両手を天井方向へ伸ばし、股関節と膝を約90度に曲げます。息を吐きながら、片腕と反対側の脚をゆっくり床へ近づけましょう。
腰が反る場合は、脚を伸ばさず、片足ずつ床へタッチする方法から始めます。
- 左右6〜10回
- 2セット
- 手足を遠くへ伸ばしすぎない
- 腰が反る手前で止める
動画:デッドバグのやり方
3.グルートブリッジ
仰向けで膝を曲げ、足裏を床につけます。
息を吐きながら足裏で床を押し、お尻を持ち上げましょう。腰を反らして高く上げるのではなく、膝から肩までが自然につながる高さで止めます。
お尻と体幹を連動させ、骨盤を安定させるための基本種目です。
- 8〜12回
- 2セット
- 膝が外側や内側へ倒れないようにする
- 腰ではなくお尻を使う
4.バード&ドッグ
四つ這いになり、片腕と反対側の脚を伸ばします。
手足を高く持ち上げることより、背中と骨盤の位置を保つことを優先しましょう。
体が左右へ傾く場合は、腕だけ、または脚だけを動かす方法から始めます。
- 左右5〜8回
- 2セット
- 伸ばした位置で2〜3秒止める
- 腰を反らしたり体をひねったりしない
動画:バード&ドッグのやり方
5.膝つきプランク
両肘と両膝を床につけ、頭から膝までを自然な一直線に保ちます。
お腹だけを強くへこませるのではなく、息を吐きながら胴体全体へ軽く力を入れましょう。
通常のプランクで腰が反る人は、まず膝つきから始めるのがおすすめです。
- 10〜20秒
- 2〜3セット
- 呼吸を止めない
- 腰が反る前に終了する
6.膝つきサイドプランク
横向きになり、肘と膝で体を支えます。
床側の脇腹とお尻に力を入れ、頭から膝までを一直線に保ちましょう。
前後方向だけでなく、横方向へ体が崩れないように支える能力を鍛えられます。
- 左右10〜20秒
- 各2セット
- 肩をすくめない
- 骨盤が後ろへ倒れないようにする
7.ベアポジション・ショルダータッチ
四つ這いから両膝を床から数センチ浮かせます。
姿勢を保ったまま、片手で反対側の肩へタッチしましょう。手を動かしたときに、骨盤が左右へ揺れない範囲で行います。
難しい場合は、膝を浮かせた姿勢を5〜10秒保つだけでも構いません。
- 左右4〜8回
- 2セット
- 足幅を少し広げると安定しやすい
- 素早く行わず、ゆっくり動く
初心者向け10分メニュー
最初から7種目を何セットも行う必要はありません。
まずは次のメニューを1〜2周行いましょう。
- 90/90ブリージング:5呼吸
- デッドバグ:左右6回
- グルートブリッジ:10回
- バード&ドッグ:左右6回
- 膝つきプランク:20秒
- 膝つきサイドプランク:左右15秒
- ベアポジション:10秒または左右4回
週2〜3回から始め、翌日まで強い疲労や痛みが残らなければ、少しずつ回数や保持時間を増やします。
長く耐えることより、呼吸を続けながら正しい姿勢を保てることを優先してください。
体幹トレーニングでよくある間違い
- 息を止めて力む
- お腹を強くへこませ続ける
- 腰を反らせたまま動く
- 長時間耐えることだけを目標にする
- 毎回限界まで追い込む
- 難しい種目から始める
- 腰や首の痛みを我慢して続ける
体幹トレーニングは、体を固める競争ではありません。
必要最小限の力で姿勢を保ち、呼吸を続けながら手足を動かせることが大切です。
オンラインサロン【MOB】のご案内
体幹は、お腹だけでなく呼吸、肋骨、骨盤、股関節、肩甲骨などと連動して働きます。
全身の柔軟性や動作を継続的に整えたい方には、オンラインサロン【MOB】がおすすめです。
【MOB】では「動きやすいカラダ、最高のコンディション」をテーマに、自宅で取り組めるモビリティや体幹トレーニングを実践できます。
痛みがある場合の注意点
次のような症状がある場合は、セルフトレーニングだけで対応せず、整形外科などの医療機関へご相談ください。
- 強い腰痛や腹部痛がある
- 脚や腕にしびれがある
- 急に力が入りにくくなった
- 転倒や事故のあとから痛みが続いている
- 運動のたびに症状が悪化する
- 排尿・排便に異常がある
痛みがある人にとって、今回紹介した7種目がすべて適しているとは限りません。
まとめ
体幹トレーニングは、プランクだけではありません。
初心者は、次の能力をバランスよく練習することが大切です。
- 呼吸しながら体幹へ力を入れる
- 仰向けで手足を動かす
- お尻と骨盤を連動させる
- 四つ這いで左右差をコントロールする
- 前後方向への崩れを防ぐ
- 横方向への崩れを防ぐ
- 手足を動かしても体を安定させる
まずは週2〜3回、1回10分程度から始めましょう。
自分の体に合ったフォームや運動強度を個別に確認してほしい方は、B-LEADのパーソナルトレーニング体験または公式LINEからご相談ください。
関連記事
参考文献
- Rodríguez-Perea Á, et al. Core training and performance: a systematic review with meta-analysis. Biol Sport. 2023;40(4):975-992. PubMed
- Smrcina Z, et al. A Systematic Review of the Effectiveness of Core Stability Exercises in Patients with Non-Specific Low Back Pain. Int J Sports Phys Ther. 2022;17(5):766-774. PubMed

