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トレーニングフォームはどこまで重要?正しいフォームと個人差の考え方

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「フォームが少し崩れたら効果がなくなる?」

「スクワットでは膝をつま先より前へ出してはいけない?」

筋トレを始めると、このような疑問を持つ方は少なくありません。

トレーニングフォームは重要です。しかし、正しいフォームとは、全員が同じ角度・足幅・深さで動くことではありません。

体格、関節可動域、筋力、経験、目的が違えば、適した動き方も変わります。大切なのは見本の形を完全に再現することではなく、目的に合った負荷を、痛みなく、コントロールして繰り返せることです。

今回は、指導歴10年・累計1万セッション以上を担当してきたトレーナーが、フォームが重要な理由と個人差を考慮した調整方法を解説します。

結論|フォームは重要だが正解は一つではない

フォームには、狙った部位へ負荷を伝える、関節へかかる負荷を調整する、動作を再現するといった役割があります。

ただし、見た目が少し違うだけで「間違い」とは判断できません。同じスクワットでも、足幅、つま先の向き、上体の傾き、深さは人によって変わります。

フォームは「正しい・間違い」の二択ではなく、目的と身体に合わせて調整するものと考えましょう。

正しいフォームを判断する4つの基準

1.目的に合っている

そのフォームで、狙った動作や筋肉へ負荷をかけられているかを確認します。見た目がきれいでも、目的と異なる部位ばかりが疲れる場合は、フォームや種目の調整が必要です。

2.鋭い痛みや強い違和感がない

筋肉が疲れる感覚と関節の鋭い痛みは分けて考えます。痛みが出る場合は、重量を下げる、可動域を小さくする、足幅や器具を変えるなどの対応が必要です。

3.動作をコントロールできる

重量に振り回され、止めたい位置で止められない状態は、負荷が高すぎる可能性があります。まずは下ろす局面と持ち上げる局面を自分で調整できる重さを選びましょう。

4.繰り返して再現できる

1回だけできるフォームより、セットを通して安定して繰り返せるフォームが大切です。後半になるほど可動域が狭くなる、左右差や反動が増える場合は、セットを終了するか負荷を下げます。

フォームの個人差を決める5つの要素

要素フォームへの主な影響
体格・骨格胴体や脚の長さ、関節の形により上体角度や足幅が変わる
関節可動域足首・股関節・肩の動く範囲により、深さやグリップ幅が変わる
筋力・経験負荷を支える力と動作の安定性が変わる
種目・目的筋肥大、最大筋力、競技、リハビリで必要な動きが変わる
負荷・疲労重量や疲労により、動作スピードや可動域が変化する

体格だけでフォームを決めつけないことも大切です。

トレーニング経験者53人が75%1RMのスクワットを行った研究では、下肢の動きは大腿骨と下腿の長さの比率よりも、相対的な筋力や股関節・足関節の柔軟性との関連が強いことが報告されました(研究はこちら)。

「脚が長いからできない」と考えるのではなく、可動域、筋力、足幅など、変えられる要素も確認しましょう。

関連記事:柔軟性とモビリティの違いとは?

スクワットに「全員共通の足幅」はない

肩幅程度の足幅と、つま先を少し外へ向ける姿勢は、スクワットの出発点として使えます。しかし、それがすべての人に最適とは限りません。

初心者と経験者各21人が、3種類の足幅と3種類のつま先角度でスクワットを行った研究では、足幅と角度によって股関節・膝の動きや関節モーメントが変化しました。研究者らは、目的に合わせて足幅と角度を選び、極端な組み合わせには注意する必要があるとしています(研究はこちら)。

実践では次の条件を満たす位置を探しましょう。

  • 足裏全体で床を捉えられる
  • 膝とつま先が大きく反対方向へ向かない
  • 痛みなく必要な深さまでしゃがめる
  • 重心をコントロールできる
  • 左右へ大きく偏らず立ち上がれる

上体が前へ傾くこと自体は、必ずしも間違いではありません。腰だけが急に丸まる、重量に潰される、痛みが出る場合は調整が必要です。

関連動画(Body Conditioning Room):スクワット前にやるべきウォーミングアップ全8種目

自分に合うフォームを身につける5ステップ

1.目的を一つ決める

「深くしゃがむ」「お尻へ負荷をかける」など、最初に確認する目的を一つに絞ります。

2.自重・軽い負荷で確認する

8〜12回を余裕を持って行える負荷から始めます。ヒップヒンジを覚えたい方は、壁を目印にすると股関節を後ろへ引く感覚をつかみやすくなります。

動画(JSPO-AT.S&Cコーチ / FUJIMOTO TAISHI):ウォールタップ・ヒップヒンジ

3.一度に変えるポイントは一つ

足幅、つま先角度、深さ、テンポを同時に変えず、一つずつ3〜5回試して比較します。

4.正面と横から動画を撮る

スマートフォンを固定して2〜3回撮影すると、足裏、膝、上体、器具の軌道を確認しやすくなります。

5.安定してから負荷を上げる

すべての回で可動域とテンポを保ち、セット終了時にあと2〜3回できる余裕があれば、次回に重量や回数を少し増やします。

上半身の押す動作は、次の動画で腕立て伏せの基本を確認できます。

動画(JSPO-AT.S&Cコーチ / FUJIMOTO TAISHI):Push up|上半身を鍛えるトレーニング

フォームについてよくある誤解

膝はつま先より前へ出してはいけない

膝を前へ出さないようにすると、膝への負荷が小さくなる一方、股関節や上体へ負荷が移ります。膝が前へ出ることだけで良し悪しを判断せず、足裏の安定、膝とつま先の向き、痛みの有無を確認しましょう。

背中は完全な直線でなければならない

背骨にはもともとカーブがあります。見た目を一直線にすることより、負荷に対して体幹をコントロールできることが大切です。

少し崩れたらすぐケガをする

ケガには、負荷量、疲労、回復、既往歴など複数の要素が関係します。ただし、コントロールできない崩れを繰り返す必要もありません。フォームの変化を負荷調整のサインとして使いましょう。

指導現場で感じること

1万セッション以上の指導を通じて感じるのは、フォームに悩む方ほど身体を固めすぎるケースが多いことです。

「膝を絶対に前へ出さない」「背中を一切動かさない」と考えると、呼吸が止まり、かえって動作をコントロールしにくくなります。

フォームを整える目的は、身体を一つの形へ固定することではありません。必要な関節を動かしながら負荷を受け止めることです。

痛みがある場合の注意点

腫れ、しびれ、力が抜ける感覚、日常生活でも続く痛み、ケガのあとから悪化している痛みがある場合は、無理にフォームを修正し続けず、整形外科などへ相談してください。

フォームを変えれば、すべての痛みが解決するわけではありません。

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まとめ

トレーニングフォームは重要ですが、全員共通の見た目で決めることはできません。

  1. 目的の動作や筋肉へ負荷が届く
  2. 鋭い痛みや強い違和感がない
  3. 重さと動作スピードをコントロールできる
  4. セットを通して再現できる
  5. 体格・可動域・筋力・目的に合わせて調整されている

まずは軽い負荷で動画を撮り、一度に一つのポイントを調整しましょう。見本と同じ形にすることより、自分の目的と身体に合う動きを見つけることが大切です。

フォームを個別に確認してほしい方は、B-LEADのパーソナルトレーニング体験または公式LINEからご相談ください。

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参考文献

  1. Lorenzetti S, et al. How to squat? Effects of various stance widths, foot placement angles and level of experience on knee, hip and trunk motion and loading. BMC Sports Sci Med Rehabil. 2018;10:14. Full text
  2. Kim S, et al. Relationships between physical characteristics and biomechanics of lower extremity during the squat. J Exerc Sci Fit. 2021;19(4):269-277. PubMed
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藤元大詩/FUJIMOTO TAISHI
藤元大詩/FUJIMOTO TAISHI
B-LEAD代表パーソナルトレーナー/講師
B-LEAD代表。インスタフォロワー6万。パーソナルトレーナー&講師。スポーツチームのトレーナーとしても活動。指導歴10年。延べ1万セッション以上指導。鍼灸整骨院併設のパーソナルジム、整形外科・メディカルフィットネスジム、中学校、高等学校、専門学校、社会人スポーツチームなどで一般の方から高齢者の方、アスリートの方まで幅広いカテゴリー・分野の方々にトレーニング指導。
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